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2025年06月14日
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数学の解答っぽい文の書き方①
2017年01月30日
前回、問題を解きました。
今回は、前回の記事から証明っぽい文章の書き方をまとめたいと思います。
(1)
f(x)がx ≧ 14の範囲で0より大きいことを証明する問題です。
f(x)が0より大きいことを示すには、「f(x) = 0がその範囲で実数解を持たない」などという考え方もありますが、少なくとも整数解はないようです。
というか、整数解があるなら、f(x) = 0を解けと丸投げされそうですよね。
そこで、グラフの形に注目して、「x ≧ 14の範囲でf(x)は常に上方向に変化すること」「x = 14の時点でf(x)が正の範囲にあること」を言うことで証明しようという考え方です。
f(x)を微分して計算すると、「x > 8の範囲でf(x)は増え続ける関数であること」がわかりました。
そして、代入することでx = 14においてf(x)が正であることもわかります。
この2点が揃っていれば証明になるでしょう。
この2点からf(x)が正であることを示す法則を知っていれば「~の定理より、」といった言葉を入れるのも良いかもしれませんが、私は知りません。
(2)
この問題、解法が思いつかなくて最初のとっかかりだけ答えを見ました。受け売りですみません。
bが自然数となる自然数aを全部探せという問題ですね。
bの式を見ると分母がaの3次式、分子がaの2次式ですが、一般には3次式のほうが代入したとき答えが大きくなるイメージがありませんか?
全体で見るとaの係数は-1になり、1未満の分数になりそうな気がします。
そこで、そもそもbが1以上になるという条件で絞れるか検討してみましょう。
1以上という式を立てると、(1)の式が出てきました。
(1)の結果(x ≧ 14 ⇒ f(x) > 0)の対偶は、f(x) ≦ 0 ⇒ x < 14です。
(1)から、この論理式は真であることがわかります。
ここまででaが1~13のどれかということになりました。
さて、分数の式を自然数で表すには、分子が分母で割り切れなければなりません。
この条件を使うために、分母を因数分解しました。
すると、分母は3つの数が連続していることがわかります。
3つの数が連続しているとそれは6の倍数になりますから、分子も6の倍数であることが必要なわけです。
分子をいきなり6でくくると頭が混乱するので、まず2でくくって、さらにそこから3でくくることで6の倍数という条件を使いました。
2でくくったら分数が出てきてしまいましたが、分数ではいけないので、aは係数の分母が消えるように2の倍数でないといけません。
さらに、2でくくった中身は3の倍数でないといけません。
a2の項は係数を見ると確実に3の倍数となるので、それ以外の項を見ます。
計算でまとめると、3の倍数にするには、aは3で割ったとき2余る数でないといけないようです。
この先、bを求める計算をしているように見えますが、bを求めなくてもよい場合でもこの計算はしなければなりません。
先程も前回書いた解答でも、「であることが必要」と書いています。
今まで検討していた条件は、すべて必要条件だからです。
十分性を確認しないと、余分な解が紛れている可能性があるのです。
今回の場合「6の倍数」という条件で検討しています。
連続した3つの数が1, 2, 3のとき、3つの掛け算は6となりますが、2, 3, 4の3つのとき、24となり、6の倍数なだけではまだ分数になる可能性が残っています。分子が6の場合、6 / 24 = 1 / 4となり、6の倍数という条件は満たしていますが答えとしての自然数になるという条件は満たせないのです。
というわけで、答えの可能性があるaすべてをひとつひとつ、解として適切かどうか確認しなければなりません。
今回は全て解の条件を満たしていましたね。
このようにして、答えが得られます。
必要条件で求めた解は十分性があるか確認しましょう。
今回は、前回の記事から証明っぽい文章の書き方をまとめたいと思います。
(1)
f(x)がx ≧ 14の範囲で0より大きいことを証明する問題です。
f(x)が0より大きいことを示すには、「f(x) = 0がその範囲で実数解を持たない」などという考え方もありますが、少なくとも整数解はないようです。
というか、整数解があるなら、f(x) = 0を解けと丸投げされそうですよね。
そこで、グラフの形に注目して、「x ≧ 14の範囲でf(x)は常に上方向に変化すること」「x = 14の時点でf(x)が正の範囲にあること」を言うことで証明しようという考え方です。
f(x)を微分して計算すると、「x > 8の範囲でf(x)は増え続ける関数であること」がわかりました。
そして、代入することでx = 14においてf(x)が正であることもわかります。
この2点が揃っていれば証明になるでしょう。
この2点からf(x)が正であることを示す法則を知っていれば「~の定理より、」といった言葉を入れるのも良いかもしれませんが、私は知りません。
(2)
この問題、解法が思いつかなくて最初のとっかかりだけ答えを見ました。受け売りですみません。
bが自然数となる自然数aを全部探せという問題ですね。
bの式を見ると分母がaの3次式、分子がaの2次式ですが、一般には3次式のほうが代入したとき答えが大きくなるイメージがありませんか?
全体で見るとaの係数は-1になり、1未満の分数になりそうな気がします。
そこで、そもそもbが1以上になるという条件で絞れるか検討してみましょう。
1以上という式を立てると、(1)の式が出てきました。
(1)の結果(x ≧ 14 ⇒ f(x) > 0)の対偶は、f(x) ≦ 0 ⇒ x < 14です。
(1)から、この論理式は真であることがわかります。
ここまででaが1~13のどれかということになりました。
さて、分数の式を自然数で表すには、分子が分母で割り切れなければなりません。
この条件を使うために、分母を因数分解しました。
すると、分母は3つの数が連続していることがわかります。
3つの数が連続しているとそれは6の倍数になりますから、分子も6の倍数であることが必要なわけです。
分子をいきなり6でくくると頭が混乱するので、まず2でくくって、さらにそこから3でくくることで6の倍数という条件を使いました。
2でくくったら分数が出てきてしまいましたが、分数ではいけないので、aは係数の分母が消えるように2の倍数でないといけません。
さらに、2でくくった中身は3の倍数でないといけません。
a2の項は係数を見ると確実に3の倍数となるので、それ以外の項を見ます。
計算でまとめると、3の倍数にするには、aは3で割ったとき2余る数でないといけないようです。
この先、bを求める計算をしているように見えますが、bを求めなくてもよい場合でもこの計算はしなければなりません。
先程も前回書いた解答でも、「であることが必要」と書いています。
今まで検討していた条件は、すべて必要条件だからです。
十分性を確認しないと、余分な解が紛れている可能性があるのです。
今回の場合「6の倍数」という条件で検討しています。
連続した3つの数が1, 2, 3のとき、3つの掛け算は6となりますが、2, 3, 4の3つのとき、24となり、6の倍数なだけではまだ分数になる可能性が残っています。分子が6の場合、6 / 24 = 1 / 4となり、6の倍数という条件は満たしていますが答えとしての自然数になるという条件は満たせないのです。
というわけで、答えの可能性があるaすべてをひとつひとつ、解として適切かどうか確認しなければなりません。
今回は全て解の条件を満たしていましたね。
このようにして、答えが得られます。
必要条件で求めた解は十分性があるか確認しましょう。
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問題演習①
2017年01月26日
タイトルそのまんまです。
証明問題を説明しようと思って、問題を探しました。
1問だけ解いたので今回はこれを書きます。
なお私は数学の専門ではありません。間違っていても責任は負えませんのであしからず。
詳しい説明を書きました。この記事を読んだら是非こちらもどうぞ。
金沢大学文系、前期日程からです。
(1)
f'(x) = 3x2 - 12x - 96
であり、f'(x) = 0となるのは、次の計算により-4と8のときである:
3x2 - 12x - 96 = 0
x2 - 4x - 32 = 0
(x+4) (x-8) = 0
x = -4, 8
また、y = f'(x)は下に凸であるから、x > 8においてf(x)は単調に増加する。
ここで、
f(14) = 143 - 6 * 142 - 96*14 - 80
= 144 > 0
である。
よって、x≧14ならばf(x)>0となる。
(2)
b = (9a2 + 98a + 80) / (a3 + 3a2 + 2a) …①
が自然数であるとき、
(9a2 + 98a + 80) / (a3 + 3a2 + 2a) ≧ 1
が成り立つ。
また、aは自然数であるから、a3 + 3a2 + 2a > 0 で、
9a2 + 98a + 80 ≧ a3 + 3a2 + 2a
a3 - 6a2 - 96a - 80 = f(a) ≦ 0
(1)から、a < 14 (*)となることが分かる。
一方、①は次のように変形することができ、分母は6の倍数であることが分かる:
b = (9a2 + 98a + 80) / {a (a + 1) (a + 2)} …②
つまり、bが自然数となるとき、②の分子も6の倍数となる。
9a2 + 98a + 80
= (9a2 + 98a + 2) + 6 × 13
= 2(9a2 / 2 + 49a + 1) + 6 × 13
これを満たすaは、9a2 / 2から2の倍数(**)である。
またこのとき、9a2 / 2が3の倍数となるから、aは49a + 1を3の倍数にする必要がある。
すなわち、
49a + 1 = 3n (n∈N)
(16 × 3 + 1)a + 1 = 3n
3 × 16a + (a + 1) = 3n
から、a + 1 = 3n ⇔ a = 3n - 1 (***)
(*) - (***)から、aは2, 8であることが必要である。
i ) a = 2のとき
b = (9 × 22 + 98 × 2 + 80) / {2 × (2 + 1) × (2 + 2)}
∴b = 13 ∈ N
よって、(a, b) = (2, 13)は解のひとつである。
ii ) a = 8のとき
b = (9 × 82 + 98 × 8 + 80) / {8 × (8 + 1) × (8 + 2)}
∴b = 2 ∈ N
よって、(a, b) = (8, 2)は解のひとつである。
i), ii) より、
(a, b) = (2, 13), (8, 2)
もっと簡単にできるはずですが丁寧に考えるとこんな感じですか…
証明問題を説明しようと思って、問題を探しました。
1問だけ解いたので今回はこれを書きます。
なお私は数学の専門ではありません。間違っていても責任は負えませんのであしからず。
詳しい説明を書きました。この記事を読んだら是非こちらもどうぞ。
金沢大学文系、前期日程からです。
以下の問いに答えよ。
(1)f(x) = x3 - 6x2 - 96x - 80 とする。x ≧ 14ならばf(x) > 0となることを示せ。
(2)自然数aに対して、b = (9a2 + 98a + 80) / (a3 + 3a2 + 2a)とおく。bも自然数となるようなaとbの組(a, b)をすべて求めよ。
(1)f(x) = x3 - 6x2 - 96x - 80 とする。x ≧ 14ならばf(x) > 0となることを示せ。
(2)自然数aに対して、b = (9a2 + 98a + 80) / (a3 + 3a2 + 2a)とおく。bも自然数となるようなaとbの組(a, b)をすべて求めよ。
(1)
f'(x) = 3x2 - 12x - 96
であり、f'(x) = 0となるのは、次の計算により-4と8のときである:
3x2 - 12x - 96 = 0
x2 - 4x - 32 = 0
(x+4) (x-8) = 0
x = -4, 8
また、y = f'(x)は下に凸であるから、x > 8においてf(x)は単調に増加する。
ここで、
f(14) = 143 - 6 * 142 - 96*14 - 80
= 144 > 0
である。
よって、x≧14ならばf(x)>0となる。
(2)
b = (9a2 + 98a + 80) / (a3 + 3a2 + 2a) …①
が自然数であるとき、
(9a2 + 98a + 80) / (a3 + 3a2 + 2a) ≧ 1
が成り立つ。
また、aは自然数であるから、a3 + 3a2 + 2a > 0 で、
9a2 + 98a + 80 ≧ a3 + 3a2 + 2a
a3 - 6a2 - 96a - 80 = f(a) ≦ 0
(1)から、a < 14 (*)となることが分かる。
一方、①は次のように変形することができ、分母は6の倍数であることが分かる:
b = (9a2 + 98a + 80) / {a (a + 1) (a + 2)} …②
つまり、bが自然数となるとき、②の分子も6の倍数となる。
9a2 + 98a + 80
= (9a2 + 98a + 2) + 6 × 13
= 2(9a2 / 2 + 49a + 1) + 6 × 13
これを満たすaは、9a2 / 2から2の倍数(**)である。
またこのとき、9a2 / 2が3の倍数となるから、aは49a + 1を3の倍数にする必要がある。
すなわち、
49a + 1 = 3n (n∈N)
(16 × 3 + 1)a + 1 = 3n
3 × 16a + (a + 1) = 3n
から、a + 1 = 3n ⇔ a = 3n - 1 (***)
(*) - (***)から、aは2, 8であることが必要である。
i ) a = 2のとき
b = (9 × 22 + 98 × 2 + 80) / {2 × (2 + 1) × (2 + 2)}
∴b = 13 ∈ N
よって、(a, b) = (2, 13)は解のひとつである。
ii ) a = 8のとき
b = (9 × 82 + 98 × 8 + 80) / {8 × (8 + 1) × (8 + 2)}
∴b = 2 ∈ N
よって、(a, b) = (8, 2)は解のひとつである。
i), ii) より、
(a, b) = (2, 13), (8, 2)
もっと簡単にできるはずですが丁寧に考えるとこんな感じですか…
ビールの泡の数について
2017年01月25日
お酒と聞いて、ジョッキからビールの泡がこぼれている絵を思い浮かべる人は少なくないと思います。
あの泡の数って、いったいどのくらいあるのでしょうか…
今回はこれを考えてみたいと思います。
実は私、化学の勉強をしている大学生です。
そこで化学の方向からアプローチしてしまうわけですがお付き合いください。
塩や氷などの結晶は規則正しく並んでいます。
塩はナトリウムイオンと塩化物イオンという2種類の粒がぎっちりと詰まっています。
水は特殊で、本当はもっとぎっちりと詰まることができるのですが、水分子が持つ手が握手したさすぎるせいで、綺麗には並びますが間が空いてしまいます。
間が空いているから氷は水より軽いわけなんですが、今回はさておき。
ぎっちりと詰まっている状態を、化学の世界で最密充填と呼びます。
最密充填の中の、今回は面心立方を考えます。
1辺aの単位格子内に、半径(a√2) / 4の球が4個入っています。
つまり、最密充填された空間のうち、球の内側である確率は
4[4π{(a√2) / 4}3 / 3] / a3 = 0.74
となり、74%であることが分かります。
次に、泡の体積を求めましょう。
ビールは、金色の液体と白色の泡が7:3であると美しいようです。
また、ジョッキの大きさには明確な決まりがないとのことですので、今回は合理的に
「液体部分が缶ビールの350mLと同じ」であるとしましょう。
ここから、泡の体積xが分かります。
350 : x = 7 : 3
7x = 3 * 350
x = 150 (mL)
ここで、泡は最密充填されていると考えると、このうち74%が泡の内側の空気となります。
150 * 0.74 = 111 (mL)
さて、ビールの泡の半径ってどのくらいなんでしょうか…
分からないのでr (cm) としておきましょうか。
泡の数をnとすると、nは次のように表せます:
n * 4πr3 / 3 = 111
n = 333π / (4r3)
よって、もし全ての泡の半径が1mm(=0.1cm)なら26万粒の泡があることになるわけです。
また、半径が0.5mm(=0.05cm)なら209万粒の泡がある計算になります。
分からないことが多いですが、分からないなりに色々計算で求めることができるのは面白いです。
あの泡の数って、いったいどのくらいあるのでしょうか…
今回はこれを考えてみたいと思います。
実は私、化学の勉強をしている大学生です。
そこで化学の方向からアプローチしてしまうわけですがお付き合いください。
塩や氷などの結晶は規則正しく並んでいます。
塩はナトリウムイオンと塩化物イオンという2種類の粒がぎっちりと詰まっています。
水は特殊で、本当はもっとぎっちりと詰まることができるのですが、水分子が持つ手が握手したさすぎるせいで、綺麗には並びますが間が空いてしまいます。
間が空いているから氷は水より軽いわけなんですが、今回はさておき。
ぎっちりと詰まっている状態を、化学の世界で最密充填と呼びます。
最密充填の中の、今回は面心立方を考えます。
1辺aの単位格子内に、半径(a√2) / 4の球が4個入っています。
つまり、最密充填された空間のうち、球の内側である確率は
4[4π{(a√2) / 4}3 / 3] / a3 = 0.74
となり、74%であることが分かります。
次に、泡の体積を求めましょう。
ビールは、金色の液体と白色の泡が7:3であると美しいようです。
また、ジョッキの大きさには明確な決まりがないとのことですので、今回は合理的に
「液体部分が缶ビールの350mLと同じ」であるとしましょう。
ここから、泡の体積xが分かります。
350 : x = 7 : 3
7x = 3 * 350
x = 150 (mL)
ここで、泡は最密充填されていると考えると、このうち74%が泡の内側の空気となります。
150 * 0.74 = 111 (mL)
さて、ビールの泡の半径ってどのくらいなんでしょうか…
分からないのでr (cm) としておきましょうか。
泡の数をnとすると、nは次のように表せます:
n * 4πr3 / 3 = 111
n = 333π / (4r3)
よって、もし全ての泡の半径が1mm(=0.1cm)なら26万粒の泡があることになるわけです。
また、半径が0.5mm(=0.05cm)なら209万粒の泡がある計算になります。
分からないことが多いですが、分からないなりに色々計算で求めることができるのは面白いです。
じゃんけんで勝つ確率は1/2なのか
2017年01月14日
あいこのときやり直すじゃんけんでは、勝つ確率は1/2である……
本当でしょうか?
今回は、これをなるべく丁寧に検証してみたいと思います。
まず、じゃんけんで勝つ確率が本当に1/3であるかどうかを確認しましょう。
じゃんけんで勝つと一口にいっても、「グーで勝つ」「チョキで勝つ」「パーで勝つ」の3通りが考えられるわけです。
自分がグーを出す確率をsとすると、グーで勝つ確率は
s × 1/3 = s / 3
となります。
自分がチョキを出す確率をtとすると、チョキでかつ確率は
t × 1/3 = t / 3
です。
すると、自分がパーを出す確率は1 - (s + t)ですから、パーで勝つ確率は
{1 - (s + t)} × 1/3 = 1 / 3 - (s + t) / 3
以上から、自分が1回のじゃんけんで勝つ確率は次のようになります:
s / 3 + t / 3 + {1 / 3 - (s + t) / 3} = 1 / 3
ということで、自分の手癖を考慮してもその人が勝つ確率が1/3であることが確認できました。
では、あいこのときやり直すというルールのもとでじゃんけんしたときの、いつかは自分が勝つ確率が1/2であることを確認してみましょう。
1回目に勝つ確率は、前述のとおり1/3です。
2回目に勝つ確率は、1回目あいこになり、かつ2回目に勝つ確率ですから
1 / 3 × 1 / 3 = (1 / 3)2
3回目に勝つ確率は、1回目も2回目もあいこになり、かつ3回目に勝つ確率ですから
(1 / 3)2 × 1 / 3 = (1 / 3)3
同様に、n回目に勝つ確率は、(n - 1)回目まで全てあいこになり、かつn回目に勝つ確率であり
(1 / 3)n
と考えられます。
よって、じゃんけんで勝つ確率は
Σ_(1≦n<∞) (1 / 3)n
= lim_(n→∞) [1 / 3 × (1 - 1/3n) / (1 - 1/3)]
= 1 / 3 × (3 / 2)
= 1 / 2
となり、1/2となりました。
確率って丁寧に解こうとすると面倒くさいんですよね……
本当でしょうか?
今回は、これをなるべく丁寧に検証してみたいと思います。
まず、じゃんけんで勝つ確率が本当に1/3であるかどうかを確認しましょう。
じゃんけんで勝つと一口にいっても、「グーで勝つ」「チョキで勝つ」「パーで勝つ」の3通りが考えられるわけです。
自分がグーを出す確率をsとすると、グーで勝つ確率は
s × 1/3 = s / 3
となります。
自分がチョキを出す確率をtとすると、チョキでかつ確率は
t × 1/3 = t / 3
です。
すると、自分がパーを出す確率は1 - (s + t)ですから、パーで勝つ確率は
{1 - (s + t)} × 1/3 = 1 / 3 - (s + t) / 3
以上から、自分が1回のじゃんけんで勝つ確率は次のようになります:
s / 3 + t / 3 + {1 / 3 - (s + t) / 3} = 1 / 3
ということで、自分の手癖を考慮してもその人が勝つ確率が1/3であることが確認できました。
では、あいこのときやり直すというルールのもとでじゃんけんしたときの、いつかは自分が勝つ確率が1/2であることを確認してみましょう。
1回目に勝つ確率は、前述のとおり1/3です。
2回目に勝つ確率は、1回目あいこになり、かつ2回目に勝つ確率ですから
1 / 3 × 1 / 3 = (1 / 3)2
3回目に勝つ確率は、1回目も2回目もあいこになり、かつ3回目に勝つ確率ですから
(1 / 3)2 × 1 / 3 = (1 / 3)3
同様に、n回目に勝つ確率は、(n - 1)回目まで全てあいこになり、かつn回目に勝つ確率であり
(1 / 3)n
と考えられます。
よって、じゃんけんで勝つ確率は
Σ_(1≦n<∞) (1 / 3)n
= lim_(n→∞) [1 / 3 × (1 - 1/3n) / (1 - 1/3)]
= 1 / 3 × (3 / 2)
= 1 / 2
となり、1/2となりました。
確率って丁寧に解こうとすると面倒くさいんですよね……
ポケモンのパーティー
2017年01月05日
ポケモンにおいてパーティーは何通りあるのか考えてほしいとリクエストをいただきました。
ありがとうございます。
先日ポケットモンスター サン・ムーンが発売されましたね。
2017/01/04時点で公開されているポケモン総数は801匹だそうです。
このポケモン、完全にランダムに選んでパーティーを組んだら、何通りのパーティーが考えられるのでしょうか。
まず、私の知識から条件を考えます。
さらに問題を簡単にするため、今回は次の条件を追加しようと思います。
先頭のポケモンは801通り考えられる。 ①
1. 2番目以降のポケモンが0匹のとき
2番目以降のパーティーは、全て空席の1通り。
すなわち、8020通り。
2. 2番目以降のポケモンが1匹のとき
2番目以降のパーティーは、801匹または卵の802通り。
すなわち、8021通り。
3. 2番目以降のポケモンが2匹のとき
2番目以降のパーティーは、8022通り。
4. 2番目以降のポケモンが3匹のとき
2番目以降のパーティーは、8023通り。
5. 2番目以降のポケモンが4匹のとき
2番目以降のパーティーは、8024通り。
6. 2番目以降のポケモンが5匹のとき
2番目以降のパーティーは、8025通り。
①及び1-6から、ポケモンのパーティー総数は以下のようになる。
801 * (8020 + 8021 + 8022 + 8023 + 8024 + 8025)
= 801 * Σ_(0≦n≦5) (1 * 802n)
= 801 * (8026 - 1) / (802 - 1)
= 266,100,818,073,753,663
26京6100兆8180億7375万3663通りと計算できました。
ポケモンの数も増えましたね。
ありがとうございます。
先日ポケットモンスター サン・ムーンが発売されましたね。
2017/01/04時点で公開されているポケモン総数は801匹だそうです。
このポケモン、完全にランダムに選んでパーティーを組んだら、何通りのパーティーが考えられるのでしょうか。
まず、私の知識から条件を考えます。
- ポケモンは801匹+卵の中から重複を許して選ぶ
- 最初の1匹以外のポケモンのエントリー順は考慮しない※バトル時に出る順とエントリー順は一致しないため。ポケルスとか何だかんだあった気はしますが忘れました
- エントリーするポケモンの数は1以上6以下、ただし卵だけでは認められない
さらに問題を簡単にするため、今回は次の条件を追加しようと思います。
- 先頭のポケモンは卵でない
先頭のポケモンは801通り考えられる。 ①
1. 2番目以降のポケモンが0匹のとき
2番目以降のパーティーは、全て空席の1通り。
すなわち、8020通り。
2. 2番目以降のポケモンが1匹のとき
2番目以降のパーティーは、801匹または卵の802通り。
すなわち、8021通り。
3. 2番目以降のポケモンが2匹のとき
2番目以降のパーティーは、8022通り。
4. 2番目以降のポケモンが3匹のとき
2番目以降のパーティーは、8023通り。
5. 2番目以降のポケモンが4匹のとき
2番目以降のパーティーは、8024通り。
6. 2番目以降のポケモンが5匹のとき
2番目以降のパーティーは、8025通り。
①及び1-6から、ポケモンのパーティー総数は以下のようになる。
801 * (8020 + 8021 + 8022 + 8023 + 8024 + 8025)
= 801 * Σ_(0≦n≦5) (1 * 802n)
= 801 * (8026 - 1) / (802 - 1)
= 266,100,818,073,753,663
26京6100兆8180億7375万3663通りと計算できました。
ポケモンの数も増えましたね。